
2016年のドラフト会議で読売ジャイアンツから2位指名を受けた、
近大の畠世周投手が指名後に右肘の手術を受けていた事実が発覚し、
巨人の球団内で波紋が広がっているというニュースが2017年1月12日に報道されました。
手術の内容は…遊離軟骨除去術
今回はこの遊離軟骨除去術に関して解説させて頂きます。
プロ野球選手に発症しやすい肘の痛みってなに!?
遊離軟骨とは骨片(骨の欠片)のことを言います。
野球選手(特に投手)はボールを投げる機会が多い為に、
どうしても肘にかかる負担が大きくなってしまいます。
繰り返される投球動作で負担のかかってしまった肘では、
軟骨が剥がれてしまうという現象を起こす恐れがあります。
少し剥がれた程度でしたら自然治癒しますが、
ボールを投げることを止めない場合は剥がれた軟骨が完全に分離します。
この剥がれて完全に分離した軟骨を関節遊離体(別名:関節ねずみ)と言います。
関節とは関節包という袋に包まれております。
分離した関節遊離体(関節ねずみ)が、
関節包の中でウロウロしているだけなら大きな問題はありませんが、
神経に衝突したり関節の隙間に挟まったりすると痛みや可動制限が起こってしまいます。
その結果は当然ながら投球に支障が出てしまうわけですね。
そこでこの関節遊離体(関節ねずみ)を除去する手術が遊離軟骨除去術になるのです。
遊離軟骨除去術ってどんな手術!?リハビリ期間はどのくらい!?
遊離軟骨除去術は現在のところ内視鏡での手術がメインで、
傷も小さく抑えられ炎症の程度にもよりますが手術後は、
1ヵ月~2ヵ月程度で投球の再開が可能になります。
プロ野球選手の場合はオフの期間に手術を受けて、
シーズンには間に合わせるというスタンスが多いですね。
ちなみにヤンキースに所属している田中将大投手や、
オリックスの金子千尋投手も遊離軟骨除去術を経験しています。
また投手ではなくともソフトバンクに所属している柳田悠岐選手なども受けております。
この関節遊離体の原因は行きつくところ投げ過ぎとなりますので、
野球をしている限りどうしようもない部分というのがあるのが実際のところです。
今回ニュースになった畠世周投手は現在ノースローということで、
シーズン開幕に間に合うか微妙なところだそうです。
(間に合っても開幕一軍は難しいのかな…)
今オフは大型補強をおこなったジャイアンツですが、
若手の育成が重要課題と言われておりますので、
畠世周投手に関しても右肘の状態を万全にして頂き、
活躍できる姿が拝見できるのを期待しておきましょう。
週末は草野球に精を出している私ですが、
関節遊離体が出現する程に毎日野球をやっていたいものですね(笑)
最後に…
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