先日、患者様との会話の中で「頚椎のヘルニア」と「首の牽引」をキーワードに話が盛り上がったのですが…
その会話の中で未だに頚椎のヘルニアに限らず、首の牽引が様々な症状に効果的である…という思い込みをしている方が多いのだな、という印象を受けました。
そこで本記事では頚椎ヘルニアに限らずですが、首の牽引を絶対にしてはいけない理由について解説させて頂きました。
それでは、どうぞ…
首や腰の牽引療法は痛みを悪化させ身体の状態を悪くする…!?
牽引療法とは専用の器具を使用して、首や腰を固定し引っ張ることにより効果を得れるとされています。
筋肉のストレッチ効果や、ヘルニアの場合には狭まった椎間孔(神経の通る穴)を広げようとするのですね。
主には整形外科の病院や整骨院に導入されています。
そんな牽引療法ですが、私は全くもって意味のない…いや、それ以上に身体の状態を悪化させるものだと考えています。
確かに身体を引っ張られることによるストレッチは気持ちの良いものですよね。
しかし、その気持ち良さ以上に身体に与えるダメージの方が大きいのであります。
牽引療法をしても首や腰のヘルニアは治らない…!?
ヘルニアにおいて牽引療法を使用する目的は、先程も申し上げましたが、狭くなってしまった神経の通る穴である椎間孔を広げようとする為です。
単純に牽引によって引っ張っただけで椎間孔が広がりヘルニアが改善するなら、こんな簡単なことはありません。
ヘルニアで困っている人が限りなく少なくなるはずですよね。
でも実際のところは、そうではありません。
結局のところ、大きな効果はないと考えられるのですが…効果がないというだけで済むのであれば問題ありません。
首や腰を牽引すると骨格の生理的前弯が失われる…!?
頚椎および腰椎というのは構造上、生理的前弯という背骨を横から観た時に、正面の方に向かったカーブが必要なのです。
牽引によって引っ張ってしまうと、この必要な生理的前弯が損なわれてしまいます。
実際には1回や2回の牽引で、この生理的前弯のカーブが失われるとは考えにくいですが、長期間に渡る継続的な牽引療法は、生理的前弯のカーブを失わさせ、頚椎や腰椎に一層の負担をかけて症状を強いものにしてしまう恐れがあります。
そういった理由から私は、牽引療法をしてはダメと考えているのであります。
引っ張られている時の気持ち良さを得れるだけで、椎間孔を広げる効果はないであろう…逆に必要な生理的前弯を失ってしまう危険を伴う…そんな牽引療法は、全くする必要がないのですね。
「ヘルニア」と「牽引療法」に関して、私の意見を解説させて頂いた本記事は以上となりますが、お読みになられた方の参考になれば幸いです。
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最後までお読み頂きありがとうございました。
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